労働基準法

労働者の不利益になるような変更は原則禁止されている

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会社の業績が悪いからといって、会社が労働者の賃金を自由に下げたり、解雇できるわけではありません。

労働者が会社に入社する際には労働契約を締結しますが、労働契約はお互いの合意に基づいて締結しているはずです。

ですから、会社が一方的に労働契約を変更することは禁止されているのです。

労働契約を変更するには使用者と労働者の合意が必要

労働契約は、賃金や働き方といった労働条件について、変更をする場合は使用者である会社と労働者の合意が必要です。

立場上、どうしても会社の方が優位に立ちやすくなりますが、優位に立つからといって労働者が合意していないのに、一方的に労働条件を変更することはできません。

労働契約法第三条

労働契約は、労働者及び使用者が対等の立場における合意に基づいて締結し、又は変更すべきものとする。

2 労働契約は、労働者及び使用者が、就業の実態に応じて、均衡を考慮しつつ締結し、又は変更すべきものとする。

3 労働契約は、労働者及び使用者が仕事と生活の調和にも配慮しつつ締結し、又は変更すべきものとする。

4 労働者及び使用者は、労働契約を遵守するとともに、信義に従い誠実に、権利を行使し、及び義務を履行しなければならない。

5 労働者及び使用者は、労働契約に基づく権利の行使に当たっては、それを濫用することがあってはならない。

労働契約法第3条の条文は、上から労使対等の原則、均衡考慮の原則、仕事と生活の調和への配慮の原則、信義誠実の原則、権利濫用の禁止と呼ばれ、この5つを労働契約の5原則といったりします。

労働条件の有効な変更と無効になる変更

労働条件の変更をする場合は、労働者と使用者が合意して行います。 労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる(労働契約法第8条)。   しかし、特に ...

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もしも、労働者の合意なく、一方的に会社が変更した場合は、変更した部分は無効になります。

労働契約法第九条

使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない。

 

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労働条件の優先順位

労働条件を規定しているものには、労働基準法、労働協約、就業規則、労働契約といったものがありますが、これらには優先順位があります。

労働基準法が最も強くなっており、その他は、労働協約、就業規則、労働契約の順に優先されます。

 

もし仮に、労働契約が労働協約や就業規則よりも下回る労働条件であれば、その部分は無効となります。

 

労働組合と使用者が、賃金や労働時間等の労働条件について交渉し、お互いが合意した取り決めを労働協約といいます。

労働者が労働組合員で、労働協約によって労働条件が変更された場合は、労働協約が適用されることになります。

 

就業規則の変更は必要性や合理性が問われる

優先順位は、法律、労働協約、就業規則、労働契約の順ですので、就業規則の変更が労働条件の切り下げにあたるのであれば、法律や労働協約に違反していないかが問われます。

違反していない場合も、就業規則の変更により労働条件の不利益変更にあたる場合は、変更後の就業規則を労働者に周知している必要があり、その就業規則の変更についての「必要性」「合理性」が問われます。

また、変更の程度が妥当かどうか、それに代わる代償措置があるかが判例では問われています。

 

労働契約法第十条

使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする。

 

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合理性の判断

合理性が問われた際、どういったことが問題となるかは、判例等が判断の目安となります。

判例では、

・変更する必要はあるのか

・変更によって労働者がどの程度不利益を受けるのか

・代わりの措置を行ったか

・特定の労働者だけが不利益を受けないか

・同業他社と比較して突出しておかしくないか

等から判断されています。

 

また、就業規則の変更の際は、過半数労働者の意見を聴くことが必要です。

 

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