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首相と労使トップ・残業100時間未満で決着、法律上の労働時間

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残業100時間未満で決着

3月13日、総連の神津里季生会長と経団連の榊原定征会長が官邸を訪れ、安倍首相に、罰則付きの残業規制導入を受け入れると伝えました。

焦点とされた「残業月100時間未満」を繁忙期の上限とすることで決着したことで、政府は上限を最長720時間として働き方改革の実行計画にまとめ、労働基準法の改正に着手するとのことです。

変更

残業については、原則月45時間、年360時間といった目安が厚生労働省で示されていましたが、労働基準法で明記する方向で進むようです。また、特別条項を結べば残業の延長が可能とされていましたが、これについては繁忙期に限って、特例で月100時間までの残業を認めるとする方向が示されました。

影響

労働基準法が改正された場合、長時間労働が続く職場は労使協定や勤務時間の見直しが必要になるでしょう。今までは、残業規制が厚生労働省が目安として示されていた月45時間年間360時間も、労働基準法で明記され、繁忙期に限って月100時間を認めるというものです。これに対して「繁忙期なら過労死が認められるのか」といった意見も寄せられております。

法律上の労働時間

サービス残業が日常的の会社に勤めている人の中には、労働時間に法律上の決まりがあるなんて知らなかったという人もいます。私も社会保険労務士の勉強をするまでは事業主との合意で勝手に労働時間を決めるものだと思ってました。

 

労働基準法で定められている労働時間は、休憩時間を除いて1週間で40時間までです。また、休憩時間を除いて1日8時間を超えて労働させてはなりません。

ただし、商業・映画・演劇業(映画製作事業除く)・保健衛生業・接客娯楽業のうち、常時10人未満の労働者しかいない場合は、特例として1週間に44時間まで労働させることは可能です。

また、労働時間や休憩及び休日に関して、一定の要件に該当する人(監督若しくは管理の地位にある者など)には適用されません。

法律で決まっている労働時間を超えて働かせることもできます

法律で決まっている労働時間を「法定労働時間」といいます。

法定労働時間は、1週間に40時間まで、かつ、1日8時間までが上限ですが、「臨時の必要がある場合」と「三六協定の締結をして届け出をした場合」には、法定労働時間を超えて働かせることが出来ます。

 

三六協定とは

三六協定は、労働基準法36条で定められている時間外・休日労働に関する労使協定です。

労使協定とは、事業場に労働者の過半数で組織する労働組合があるときは労働組合と、ない場合は労働者の過半数を代表する者と書面でやり取りする協定です。労働基準法では、様々な場面で労使協定を行政庁に届け出るといったことが行われます。

事業主は、三六協定を締結し、届け出ることによって、労働者に時間外労働や休日労働をさせても労働基準法違反の罰則の適用を受けません。

 

ちなみに三六協定では、時間外又は休日の労働をさせる必要のある具体的な事由、業務の種類、労働者の数、1日及び1日を超える一定の期間についての延長さすることができる時間又は労働させることができる休日、労使協定の有効期間、を定めないといけない決まりとなっています。

時間外労働の限度基準

三六協定で法定労働時間を超える労働時間を定める場合は、時間外労働の限度基準が設けられてます。

限度基準の原則は、1週間15時間、1箇月45時間、1年間360時間です。ただし、この基準に適合しない協定であっても当然に無効となるわけではなく、労働基準監督署長は助言・指導を行えるにすぎません。

また、特別条項の手続きを経れば、限度時間を超えることも可能でした。

 

1箇月の時間外労働100時間は過労死の認定基準

1箇月の時間外労働が100時間を超えるような場合は、過労死の原因となる脳血管疾患及び心臓疾患との関係で業務との関連が強いと判断される可能性があります。

過労死の原因かどうかの認定は、発症直前から前日までに異常な出来事が起きたか、1週間以内に特に過重な業務を行ったか、概ね6カ月にわたって過重業務を行ったか等を踏まえて判断されます。

100時間というのは、概ね6カ月以内にわたって過重業務を行ったかの判断の目安とされ、「発症前1か月間に100時間又は2~6か月間平均で80時間を超える時間外労働は、過労死との関連は強い」となります。

 

ネット上の繁忙期なら過労死が認められるのかといった声は、この過労死との関連が強いのと関係しているからです。

 

 

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