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労働基準法

サービス残業とは?会社が残業代を払ってくれない

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私が大学を卒業後に働いた不動産業界では、サービス残業は当たり前でした。

どこの不動産会社でもサービス残業は当たり前で、それは大手不動産会社であっても同じです。

まわりの不動産会社も夜遅くまで仕事をしているため、働いている当時はサービス残業が違法とは全く知らず、夜9時までに帰れたらラッキーなどと考えながらサービス残業をしてました。

 

ファイナンシャルプランナーの資格取得がきっかけで、社会保険の勉強をするようになり、そこで学んだ労働基準法でサービス残業が違法ということを知りました。

サービス残業とは

サービス残業は、働いた時間に対して賃金が支払われない時間外労働や休日労働をいいます。

決められた労働時間に働かせた場合は、働かせた時間に対する賃金の支払いが必要です。

サービス残業は、労働基準法違反になり、業種によってはサービス残業が常態化していることが問題視されています。

 

いくら会社で労働時間の上限が定められていて、上限を超える時間に対して賃金を支払わないといっても、働いた時間に対して賃金を支払わなければ違法です。

 

月の残業代が含まれた固定給を支払われているからといって、何時間働かせてもいいというわけではありません。

また、残業代込みの固定給であっても、その場合の残業代と基本給が明確になっていなければ認められません。

過去の判例では、残業代も含めた金額をもとに計算した未払い賃金を過去にさかのぼって支払わされた企業もあります。

 

店長の役職が与えられていても、実際には権限がなく、長期労働をさせるためだけに与えられる管理監督者にも労働時間に見合う賃金の支払いが必要です。

 

労働基準法の労働時間

労働者の最低基準の労働条件を定めているのが「労働基準法」と呼ばれる法律です。

 

法定労働時間(労働基準法で決められている労働時間)の上限は、1日8時間または週40時間となっていて、この時間を超える時間外労働や休日労働をさせた場合は、割増賃金を支払わなければならないことが義務付けられています。

 

使用者は、労働者に残業をさせる場合は、労働者の過半数で組織する労働組合(ない場合は労働者の過半数の代表者)と書面による合意をし、所轄労働基準監督署に提出しなければなりません(36協定の提出)。

法定労働時間を超えて労働者を働かせるには、36協定の届出が必要ですが、働かせる場合には通常の労働時間または労働日の賃金の計算額の2割5分以上5割以下の割増賃金を支払わなければなりません。

 

平日 法定休日
午後10時から午前5時まで 50%以上 60%以上
午前5時から午後10時まで 25%以上 35%以上

 

よくある誤解が、「年俸制」「みなし労働制」を採用している場合は残業代を支払わなくていい、というものです。

たとえ年俸制、みなし労働制を採用していても、残業代部分を超える労働については残業代を支払わなければならないのです。

 

会社が残業代を支払わないとどうなるか

もし、会社が労働基準法や就業規則などに違反して残業代を支払わない場合は、労働者は労働基準監督署や裁判所に訴えることができます。

 

過去の裁判例では、2年前に遡って未払いの残業代を会社が労働者に支払うことになった例もあります(というより賃金は時効が2年)。

 

今は黙々とサービス残業をしている社員さんも、サービス残業の証拠となる記録と資料を確保して、退職した後に未払い残業代を請求するかもしれませんね。

そうなってからでは会社の負担が大きいので、最初から法律に遵って会社を運営していく必要があるのではないでしょうか。

 

法定外労働の割増賃金を未払いしている場合は、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金の対象となります。

 

会社が労働基準法や就業規則に明らかに違反している場合は、厄介なことになります。

というより、そうならないために法律を遵守する必要があります。

 

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