人生設計に大事な社会保険について

社会保険についての話

資格を取ると貧乏になる

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一時期話題になった「資格を取ると貧乏になります」という本を今更ながら読みました。

 

それにしてもすごいタイトル。

タイトルにインパクトがあるので、目にした人は本を手に取って読みたくなりますよね。

社会人であれば、過去に資格の勉強をしたことがある人は多いと思います。

商業科や工業科では、生徒さんに測量士補や簿記の受験を勧めたりもしていますね。

社会保険労務士試験の難易度

士業の資格の中でも、割とやさしいと言われているのが社会保険労務士の試験です。

やさしいと言われている割に、社会保険労務士試験の合格率は、6%~8%程度というほどやさしくはありません。

私が合格した時の合格率は2.6%でしたが、合格した前の年の試験は9.3%と安定していません。簡単な年と難しい年があるのも評価が分かれます。

 

社会保険労務士試験と同難易度として一緒に紹介される資格に日商簿記1級と中小企業診断士があります。

いずれの試験が難しいと感じるかは、適正によって人それぞれです。

知名度で言えば、社会保険労務士よりも日商簿記1級や中小企業診断士の方が上だと思います。

しかし、社会保険労務士は簿記1級と違って独立開業ができます。また、中小企業診断士と違って社会保険に関する書類の手続きを行える独占業務があります。

 

多くの時間とお金を費やして得られるのが「書類の作成の手続き業務かよ」と思うかもしれませんが、これには就業規則、助成金申請などの需要ある書類も含まれます。

 

本には社会保険労務士は仕事をしながら受験できる資格として紹介されていました。

ほかの資格試験は難関なので、受験に専念しなければなりませんが、社会保険労務士ならほどほどの難易度ですから、仕事をしながら続けられる会社員に人気の資格とのことです。

 

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社会保険労務士の現状

本の中では、社会保険労務士として開業してもなかなか食えないということが書かれてます。

「社会保険労務士として生活していける人は1割」なので、社会保険労務士になっても「他の資格の勉強ばかりやっている」人や「アルバイトに精を出す」人がほとんどといったことも書かれてます。

 

少し前の雑誌で、社会保険労務士を対象にアンケートを取ったところ、アルバイトをしながら開業している人が半数近くに及んでました。

「社会保険労務士でも食えている人がいる」を励みにアルバイトに精を出すというのが社会保険労務士の実態だそうです。

 

社会保険労務士に唯一認められた書類手続きも、今後は簡便化することが決まっています。

現在は、仕事が減る一方で、有資格者が増え続けているといった状況です。

 

士業の中で最難関と言われる弁護士ですら3人に1人が100万円以下の収入と言われています。

仕事が減る一方なのに、司法改革で弁護士の数が急増したことから益々食えない人があふれたそうです。

弁護士ですら食えない時代なのですから、社会保険労務士が食べていくのは大変です。

 

資格取得と独立後の成功は努力の方向性が違う

士業として独立した人の中には資格取得がゴールとなっている人が多いとも書いてありました。

士業はどの資格も1年以上の勉強が必要なので、資格を取れば生活が安泰するという幻想を抱いている人は確かにいるようです。

 

どの士業も試験が難関なので、開業したら成功すると勘違いする人が多いのですが、実際は平均年収以下の生活をしている人はたくさんいるようです。

開業してみて初めて幻想が崩れるわけですが、それでも「あんなに苦労して取った資格が食えないわけがない」と、現実を認めない人もいます。

 

 

一生安泰とは思っていない人でも、資格の勉強をしている人であれば、一度手に取って読んでみることをお勧めします。

案内人
「実際そうだよなー」と思う点もたくさんありました。

 

上手くいってる人

自営業を5年以上、士業を2年やっていると、上手くいく人と上手くいってない人との共通点も、自分なりに見えてきたりします。

 

 

人脈が多い人は、紹介も多いようです。

士業では、お互いに紹介しあうといったこともあります。

確かにお客さんにとっても、わざわざ自分で探すことなく、信頼できる士業から紹介してもらえれば、手間が省けるというメリットがあります。

 

 

この本ではあまり触れてませんでしたが、上手くいっている士業に共通していることに、情報発信をし続けているということが挙げられます。

今はブログを使えば、誰もが気軽に情報を発信できます。

とはいっても、ただ情報を発信すればいいというわけではなく、人の役に立つ情報を発信する必要があります。

人の役立つ情報を発信し続けた結果、広告を打たずに行列ができる事務所を作り上げた人もいます。

とはいえ、Webから集客を得るには1万以上のアクセスが見込めるまでにホームページを仕上げなければならないそうです。

 

書くことが苦手な人は、動画を撮影してYouTubeに投稿することも情報発信です。

SNSを更新することも情報発信です。

SNSなら無料、Youtubeもスマホで撮影すれば無料です。

ホームページは月数千円かかりますが、元手が限られる士業にとってはリスティングよりも力を入れたほうがいい分野だと思います。

 

 

また、上手くいっている人は、飛び込み営業をしていません。

自分も飛び込み営業を何度か試してみましたが、労力の割に手応えがないためストレスばかり溜め込む結果となりました。

効率も悪いので、飛込営業をするくらいなら他の方法を考えたほうがいいと思います。

 

おわりに

「資格を取ると貧乏になります」の著者も、資格は取ってからがスタートであって、資格を取った後が大事だよと言いたかったのではないでしょうか。

そもそも「資格を取って一生安泰」なんて思っている士業はいません。

 

本には、価格競争に巻き込まれて労力の割に稼げないといったことも書いてありました。

 

以前、エコノミストという経済誌でAIに追いやられる社労士のことが書いてありました。

10年前と比べて2割も人が増えたのに、業務は3分の1というようなことが書いてありましたが、AIに出来ない仕事を見直してみた方がいいような気がします。

 

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