公的年金

厚生年金について(厚生年金保険の概要)

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会社員や公務員には、国民年金に加えて「厚生年金保険」が上乗せして支給されます。

 

厚生年金保険法は、もともとは工場に勤務する男性労働者を対象にして発足された制度ですが、やがて対象者を一般労働者や女性にも広げ、昭和61年には国民年金の上乗せとされました。

 

厚生年金は、政府が管掌している公的年金ですが、被保険者の種別によって実施機関が違う等複雑です。

厚生年金の保険給付も複雑ですが、制度自体が複雑なので、細かい点は深入りしないほうがいいかもしれません。

厚生年金保険制度の目的

厚生年金保険では、労働者の老齢、障害、死亡について主に保険給付が行われます。

厚生年金保険法第1条

この法律は、労働者の老齢、障害又は死亡について保険給付を行い、労働者及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。

 

厚生年金保険の事務は、第2号厚生年金被保険者から第4号厚生年金被保険者について実施機関が行うものを除き、ほとんどは日本年金機構が行っています。

 

厚生年金保険では、老齢、障害、死亡に対して次のような保険給付が行われます。

・老齢厚生年金

・障害厚生年金、障害手当金

・遺族厚生年金

 

上記の保険給付の他、脱退一時金というものもあります。

 

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政府は5年ごとに国民年金と厚生年金の財政検証を行う

2019年8月末に、「国民年金および厚生年金の財政の現況及び見通し(財政検証)」が作成されました。

年金事業では、年金財政は、長期的に保険給付の支給に支障が生じないものでなければならず、支障が生じる場合は速やかに所要の措置が必要とされています。

現況と将来の年金財政に支障がないかどうかを検証して、5年ごとに公表しているのが「財政の現況及び見通し」です。

 

公表されるのは次のもの

・保険料及び国庫負担の額並びに厚生年金保険法による保険給付に要する費用その他年金保険事業の財政に係る収支についての現況

・財政の現況及び見通しが作成されるときから、おおむね100年間の収支の見通し

 

政府は、年金事業の財政に支障が生じないように積立金を保有しつつ活用しながらも、現役世代の保険料負担を抑えるために、「公的年金の被保険者数の減少」と「平均余命の伸び」を年金額に反映させています。

これが「マクロ経済スライド」と呼ばれる仕組みです。

年金の額は、賃金(物価)の伸びによって増えていくはずですが、マクロ経済スライドは年金の伸びを抑える仕組みのため、この期間の年金は賃金(物価)の伸びよりも低くなります。

 

マクロ経済スライドの仕組みと所得代替率の維持

 

厚生年金が強制的に適用される事業所

厚生年金保険制度は、厚生年金保険法という法律に基づいて運営されています。

 

事業所や事務所、または船舶が下のいずれかに該当すると、厚生年金保険が強制的に適用される事業所となります(強制適用事業所)。

1.適用業種である事業の事業所であり、常時5人以上の従業員を使用するもの

2.国、地方公共団体又は法人の事業所であって、常時従業員を使用するもの

3.船員として船舶所有者に使用される者が乗る船舶

 

法人は原則として強制適用事業所です。

個人事業者で5人以上の従業員を使用する製造、加工、包装、修理又は解体の事業といったものは適用事業所になります。

 

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厚生年金の任意適用事業所

強制適用事業所でない事業所は、厚生労働大臣の認可を受けて厚生年金の適用事業所とすることができます。

これを任意適用といいます。

 

厚生労働大臣の認可を受けようとするときは、当該事業所に使用される者の2分の1以上の同意を得て、厚生労働大臣に申請する必要があります。

 

任意適用事業所の事業主は、厚生労働大臣の認可を受けて適用事業所をやめることもできます。

この取り消しの認可を受けるときは、事業所に使用される者の4分の3以上の同意を得て、厚生労働大臣に申請しなければなりません。

いけめん
任意適用事業所の認可を受けるときと取り消しとでは同意の数が違うんですね

 

また、船舶以外の強制適用事業所が、労働者の減少や業種変更などにより、強制適用事業所の要件から外れた場合は、自動的に任意適用事業所の認可があったとされます。

 

適用事業所の届出

事業主は、適用事業所に該当した場合は年金機構に届出が必要です。

強制適用事業所に該当した場合 新規適用届・5日以内
適用事業所を廃止・休止した場合 適用事業所全喪届・5日以内
事業所の名称・所在地を変更した場合 所在地・名称変更届・5日以内

 

書類のダウンロード先(年金機構のリンクを貼っときます)

新規適用届

適用事業所全喪届

所在地・名称変更届(管轄内)

 

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厚生年金の被保険者

強制適用事業所に使用される70歳未満の人は、厚生年金の被保険者になります。

ただし、適用除外に該当する場合は、厚生年金保険の被保険者となりません。

 

国籍に関係なく、また、アルバイトやパートといった雇用形態に関係なく適用要件を満たせば被保険者になります。

 

厚生労働大臣は、厚生年金保険の被保険者(第1号厚生年金被保険者)の資格を取得したものについて、年金手帳を交付します。

事業主は、年金手帳の送付を受けたら、速やかに被保険者に交付しなければなりません。

 

厚生年金保険の受給権者が死亡したときは、10日以内に死亡届の提出が必要です。

受給権者が死亡したときは、遺族は未支給年金を受け取れます。

 

 

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