適用事業所に使用される日雇労働者と一般の被保険者とは扱いに異なる部分があります。
日雇特例被保険者とは
日雇特例被保険者とは、原則として適用事業所に使用される日雇労働者のことをいいます。
日雇労働者とは、以下のいずれかに該当する者をいいます。
1.臨時に使用される者であって、日々雇い入れられる者(同一の事業所において1月を超え、引き続き使用される場合を除く)
2.臨時に使用される者であって、2月以内の期間を定めて使用される者(同一の事業所に所定の期間を超えて、引き続き使用される場合を除く)
3.季節的業務に使用される者(継続して4月を超えて使用される場合を除く)
4.臨時亭事業の事業所に使用される者(継続して6月を超えて使用される場合を除く)
日雇特例被保険者となったときは、なった日から起算して5日以内に厚生労働大臣に日雇特例被保険者手帳の交付を申請しなければなりません。
既に交付を受け、所持している場合で、健康保険印紙を貼る余白があるときは申請は不要です。
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標準賃金と保険料負担
日雇特例被保険者の賃金日額を第1級の3,000円から第11級の24,750円に区分した等級にあてはめます。
第1級(標準賃金日額3,000円・賃金日額3,500円未満)
↓
第11級(標準賃金日額24,750円・賃金日額23,000円以上)
保険料
日雇特例被保険者の保険料額と負担額は、被保険者の等級区分に応じた額になります。
また、介護保険第2号被保険者かそうでないかで負担額が違います。
介護保険第2号被保険者である日雇特例被保険者
第1級(被保険者負担175円・事業主負担275円)
↓
第11級(被保険者1,450円・事業主負担2,340円)
介護保険第2号被保険者でない日雇特例被保険者
第1級(被保険者負担150円・事業主負担240円)
↓
第11級(被保険者負担1,235円・事業主負担1,995円)
日雇特例被保険者に賞与があったときは、1000円未満を切り捨てた額に所定の平均保険料率をかけて求めます。
賞与に係る保険料は、被保険者と事業主で折半します。
日雇特例被保険者の保険料納付
日雇特例被保険者の標準賃金日額の保険料の納付は、日雇特例被保険者手帳に健康保険印紙を貼り、消印をすることで行います。
日雇特例被保険者は、日雇特例被保険者手帳を使用される日ごとに、事業主に提出しなければなりません。また、事業主も日雇特例被保険者を使用する日ごとに、日雇特例被保険者手帳の提出を求めなければなりません。
適用事業所の事業主であって、日雇労働者を使用しようとする場合は、健康保険印紙購入通帳の交付を受けなければなりません。
事業主は、健康保険印紙購入通帳に所定の事項を記入し、健康保険印紙を販売する日本郵便の営業所に購入通帳を提出して健康保険印紙を購入します。
日雇特例被保険者の保険給付
日雇特例被保険者とその被扶養者は、要件を満たせば保険給付を受けられます。
・療養の給付
・入院時食事療養費
・入院時生活療養費
・保険外併用療養費
・療養費
・訪問看護療養費
・高額療養費
・高額介護合算療養費
・移送費
・家族療養費
・家族移送費
・家族訪問看護療養費
・傷病手当金
・埋葬料・埋葬費
・出産育児一時金
・出産手当金
・特別療養費
日雇特例の保険給付を受けるには、保険料納付要件を満たすことが必要です。
それは日雇特例被保険者が、療養の給付等を受ける日の属する月の前2月間に通算して26日分以上、または受給日の属する月の前6月間に通算して78日以上の保険料が納付されていることです。
また、日雇特例被保険者及び被扶養者は、支給開始日から1年(結核性疾病は5年)を限度に保険給付を受けられます。
日雇特例被保険者が医療機関に行くときは、保険者に申請して受給資格者票を発行してもらいます。
日雇特例被保険者の傷病手当金は、その支給を始めた日から起算して6月(結核性疾病は1年6月)までとなっています。
このように日雇特例被保険者の給付は、保険料納付要件を満たす必要があったり、受給資格者票の交付を受けたり、支給期間が1年だったりと、一般の被保険者と違う扱いがあります。