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医療保険

健康保険の被保険者(一般の被保険者・任意継続被保険者)

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健康保険では、適用事業所に使用される者であれば、原則として被保険者になります。

 

アルバイトやパートは健康保険の被保険者にならないと誤解する人がいます。

健康保険は、アルバイトやパートという雇用形態にかかわらず、一定の要件を満たせば被保険者になります。

他の労働者の4分の3以上の労働時間であったり、報酬が一定額(88,000円)を超えていれば対象です。

また、外国人であっても、適用事業所に使用されれば原則として被保険者になります。

 

健康保険の被保険者には、一般の被保険者のほか日雇特例被保険者があります。

また、適用事業所に使用されなくなった後に加入する任意継続被保険者及び特例退職被保険者があります。

健康保険の一般の被保険者

健康保険の適用事業者に使用される者は、原則として一般の被保険者になります。

 

労働保険と違って、法人の役員(取締役、代表社員、理事、監事等)であっても、法人から労働の対価として報酬を得ていれば、法人に使用される者として一般の被保険者となります。

 

被保険者にならない場合

適用事業所で使用される者であっても、以下のいずれかに該当するときは、日雇特例被保険者となる場合を除いて被保険者になりません。

①船員保険の強制被保険者

②臨時に使用される者で、日々雇い入れられる者

③臨時に使用される者で、2月以内の期間を定めて使用される者

④事業所または事務所で、所在地が一定しないものに使用されている者

⑤季節的業務に使用される者

⑥臨時的事業の事業所使用される者(ただし、6月を超えて使用される場合を除く)

⑦国民健康保険組合の事業所に使用される者

⑧後期高齢者医療の被保険者等

⑨厚生労働大臣、健康保険組合又は共済組合の承認を受けた者

⑩適用事業所に使用される者であって、一定の短時間労働者等

 

短時間労働者の扱い

上記⑩の一定の短時間労働者に該当するのは、事業所に使用される者であって、1週間の所定労働時間または1月間の所定労働日数が同一の事業所に使用される通常の労働者の1週間の労働時間または1月間の所定労働日数の4分の3未満であって、次のいずれかに該当する場合です。

イ 1週間の所定労働時間が20時間未満であること

ロ 当該事業所に継続して1年以上使用されることが見込まれないこと

ハ 報酬について、労働省令で定めるところにより算定した額が88,000円未満であること

ニ 学校教育法に規定する高等学校の生徒、大学の学生その他の省令定める者であること

ホ 当該適用事業所に使用される通常の労働者及び準ずる者の総数が常時500人を超える適用事業所である場合

ホに該当しなくても、イからニに該当し、労使の合意があれば被保険者となります。

 

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一般被保険者の資格の取得

一般の被保険者は、以下のいずれかに該当した日に被保険者の資格を取得します。

1.適用事業所に使用されたとき

2.使用されている事業所が適用事業所になったとき

3.その者が適用除外でなくなったとき

 

事業主は、一般の被保険者資格の取得があったときは、5日以内に日本年金機構又は健康保険組合に届出が必要です。

 

一般被保険者の資格の喪失

一般の被保険者は、以下のいずれかに該当した場合は、翌日(事実があった日に被保険者資格の取得があったときはその日)に被保険者の資格を喪失します。

1.死亡したとき

2.事業所に使用されなくなったとき

3.適用除外に該当したとき

4.任意適用事業所の取消しの認可があったとき

 

事業主は、一般の被保険者資格の喪失があったときは、5日以内に日本年金機構又は健康保険組合に届出が必要です。

 

日雇特例被保険者

日雇特例被保険者とは、原則として適用事業所に使用される日雇労働者をいいます。

 

日雇労働者は、以下のいずれかに該当する者をいいます。

1.臨時に使用される者であって、日々雇い入れられる者(同一の事業所において1月を超え、引き続き使用される場合を除く)

2.臨時に使用される者であって、2月以内の期間を定めて使用される者(同一の事業所に所定の期間を超えて、引き続き使用される場合を除く)

3.季節的業務に使用される者(継続して4月を超えて使用される場合を除く)

4.臨時的事業の事業所に使用される者(継続して6月を超えて使用される場合を除く)

 

日雇特例被保険者となったときは、なった日から起算して5日以内に厚生労働大臣に日雇特例被保険者手帳の交付を申請しなければなりません。

既に交付を受け、所持している場合で、健康保険印紙を貼る余白があるときは申請は不要です。

 

任意継続被保険者

任意継続被保険者になるには、なるための要件を満たしたうえで、保険者に申し出が必要です。

 

任意継続被保険者になるためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。

1.適用事業所に使用されなくなった(適用除外になった)ため、一般の被保険者の資格を喪失した者であること

2.資格喪失の日の前日まで継続して2月以上、一般の被保険者だったこと

3.船員保険又は後期高齢者医療の被保険者でないこと

4.資格の喪失日から20日以内に申し出ること

5.初めて納付すべき保険料を納付期日までに納付していること

 

以上の全ての要件を満たした任意継続被保険者は、一般の被保険者の資格を喪失した日に資格を取得します。

 

任意継続被保険者の資格喪失

任意継続被保険者は、以下のいずれかに該当した場合は、翌日から資格を喪失します。

1.任意継続被保険者となった日から2年が経過したとき

2.死亡したとき

3.保険料を納付期日までに納付しなかったとき

4.一般の被保険者になったとき

5.船員保険または後期高齢者医療の被保険者になったとき

 

 

特例被保険者は、ほとんど任意継続被保険者と同じ扱いなのでここでは詳しい説明をしません。

 

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健康保険の被扶養者

健康保険では、被保険者本人だけでなく、被扶養者も健康保険の給付を受けることができます。

 

被扶養者の範囲

1.被保険者の直系尊属、配偶者(事実上婚姻関係を含む)、子、孫、兄弟姉妹で、主として被保険者に生計を維持されている人(生計維持関係にあれば同居してなくても可)

 

2.被保険者と同一の世帯で主として被保険者の収入により生計を維持されている以下の①~③の人

①.被保険者の三親等以内の親族

②.被保険者の配偶者で、戸籍上婚姻の届出はしていないが事実上婚姻関係と同様の人の父母および子

③.②の配偶者が亡くなった後における父母および子 (後期高齢者医療制度の被保険者等である人は除く)

生計維持関係は、同一世帯に属しているかどうか及び収入等で基準が異なります。

 

被保険者資格の取得届

従業員を新しく雇用し、被保険者の要件を満たしたときは、年金事務所または健康保険組合に被保険者資格取得届を提出します。

 

新しい従業員に被扶養者がいる場合は、被扶養者届も提出します。

 

2か所以上の事業所に勤務するようになった被保険者は、10日以内に被保険者資格取得届と所属選択・二以上事業所勤務届を提出します。

 

健康保険の被保険者は、75歳になると後期高齢者医療の対象になるため、そのときは健康保険の資格を喪失します。

 

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