小さな会社では、新しい人を募集するにあたって、独自の採用基準がある会社があれば、ほとんど試験らしいことを行わない会社があります。
また、支店ごとに選考基準が異なるために、人材の質が店舗で大きく違うなんてことも起こります。
少子高齢化によって人手不足が起きているので、人を募集にしてもなかなか問い合わせがないという話を聞きます。
有効求人倍率も1.61倍(2018年平均)にもなり、0.5倍ほどだった10年前の低水準がうそのようです。
だからといって面接のみで採用を決めていると、問題社員を抱えることも起こります。
絶対評価基準と相対評価基準
人材採用の選考基準には、応募してきた人を比較して採用を選考する「相対評価基準」と、採用するにあたって応募してきた人が最低限クリアしなければならない基準を設ける「絶対評価基準」とがあります。
最終的な人材採用では、相対評価で決めることがほとんどです。
特に営業の採用の現場では、相対評価のみで採用が行われることが多かったりします。
会社の規模が小さい場合は、経営者の勘だけを頼りに採用してしまう事も多いようです。
その結果、将来トラブルとなる採用してはいけない人を採用してしまったり、最低限の常識すら身に付けていない人を採用してしまうこともあります。
特に応募者が少ない場合に、相対評価だけで人材を採用するのはリスクが高いといえます。
こういうと、「せっかくお金を出して求人募集したんだから、人を採用しなかったら無駄な出費ではないか。」と思われるかもしれませんが、問題社員を抱えることのほうがリスクが高いといえます。
一度採用してしまうと簡単になかったことにはできず、裁判で争ってもよほどのことがないと解雇が無効となることはないからです。
部署やどんな人を募集するかでも違う
人材採用では、どの部署のどんな人材を募集するかでも選考基準が異なります。
重要なのは、募集する人の職務内容や職位などを明らかにして、選考の基準を設けておくことです。
例えば、営業であれば常識レベル程度に留めておくとか、専門的な部署では専門的な知識や経験があるかが重要となってくるはずです。
また、毎回同じ人が採用担当になるとは限らないため、選考基準を明らかにして社内で基準を共有することはリスク回避のためには大事です。
一次試験や筆記試験は絶対評価基準
採用試験でよくあるのは、書類審査で応募してもらった後に、第一次試験と第二次試験を設けるというものです。
書類審査といっても、便宜上設けているだけの会社もあります。
営業の募集における第一次試験や筆記試験では、新聞に目を通しニュースを見ていれば答えられるような常識問題でも、意外と答えられない人は多かったりします。
最近は、業務を表計算ソフトや文書作成ソフトを使うことが当たり前なので、どれくらいのパソコンスキルがあるかも重要です。
営業の場合は、書類作成が苦手の人が多いですが、書類作成を別の部署に行わせることもあるため、会社によって最低限必要なスキルを明らかにしておくのも大事です。
小さな会社の社長には、メールやパソコンを使いこなせない人もいるので、そういう場合は周りの専門家に相談してみるのもいいと思います。
第二次試験や面接試験
第一次試験で筆記試験を行い、第二次試験で面接を行う会社が多いです。
面接試験で担当官が異なると、同じ人でも評価が違うことがあるため、面接については本店のみで行う企業も多いです。
面接試験ではどうしても身体的な特徴から相対的な評価となりやすいのですが、面接試験でも質問する内容についても統一しておくことで評価を共有することができます。
面接試験では、応募してきた人も会社側も真実よりよく見せようとします。
しかし、悪い点をよく見せようとウソをつけば、せっかく採用しても話が違うとすぐ辞めてしまうことになりかねません。
良い点も悪い点も伝えておき、悪い点についてはこれから修正していくと伝えればいいと思います。
おわりに
採用する側は、採用基準を明らかにして定期的に見直すことが大事です。
採用基準は、部署や業種によっても違うため、どのような人にきてもらいたいかを明確にすることが必要です。
社長の勘だけを頼りにしていた会社が、筆記試験を取り入れるだけでも違うと思います。
筆記試験は一般常識にとどめておき、面接試験で最低限質問することを決めておくなど、採用基準をマニュアル化するだけでも今までとは違う結果となるでしょう。
会社が成長するために最も重要なのが人材ですから、採用担当者は常に優秀な人材採用に意識を向けておくことが大事です。