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「キャリアアップ助成金」が一部拡充

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平成31年4月1日から「キャリアアップ助成金」の一部拡充が実施されています。

キャリアアップ助成金には、「正社員化コース」「賃金規定等改定コース」「健康診断制度コース」「賃金規定等共通化コース」「諸手当制度共通化コース」「選択的適用拡大導入時処遇改善コース」「短時間労働者労働時間延長コース」といった7つのコースがあります。

このうちの「短時間労働者労働時間延長コース」と「選択的適用拡大導入時処遇改善コース」の2コースについて、平成31年4月1日から拡充されます。

 

キャリアアップ助成金とは

キャリアアップ助成金は、有期契約の労働者や、派遣労働者、アルバイト・パート労働者といった非正規労働者のキャリアアップを図るため、企業内の非正規労働者のキャリアアップを促進する取り組みを実施した事業主に対して助成金を支給するものです。

7つのコースを活用することで、労働者の待遇改善を図れるとともに、将来の年金額の受給額の増額が期待できます。また、労働者のキャリアアップを促進することは人手不足の現在において、人材の確保につながります。

 

厚生労働省のホームページから抜粋

 

キャリアアップ助成金では、キャリアアップ管理者を配置するとともに、キャリアアップ計画の作成及び労働局長の認定が必要です。

 

事業主が助成金の対象となるには、「各雇用関係助成金に共通の要件等」を満たすとともに、ガイドラインに沿って措置を実施する必要があります。

 

短時間労働者労働時間延長コースの拡充

雇用する有期契約労働者等について、週所定労働時間を5時間以上延長し、新たに社会保険に適用した事業主に対して助成金が支給されます。

平成31年度までは、5時間未満延長でも、基本給を一定額以上昇給していれば助成金の対象となります。

 

平成31年4月1日から、短時間労働者労働時間延長コースの助成金が「1人当たり支給額の増額」と「支給申請上限人数」について拡充されました。

 

1人当たり支給額が増額

短時間労働者の週所定労働時間を5時間以上延長して新しく社会保険に適用した場合や、労働者の手取り収入が減少しないように週所定労働時間を延長して社会保険に適用した場合に、延長時間に応じて1人当たりの支給額が増えます。

 

増額後の1人当たり支給額

週所定労働時間延長 中小企業 大企業
1時間以上2時間未満 45,000円(57,000円) 34,000円(43,000円)
2時間以上3時間未満 90,000円(114,000円) 68,000円(86,000円)
3時間以上4時間未満 135,000円(170,000円) 101,000円(128,000円)
4時間以上5時間未満 180,000円(227,000円) 135,000円(170,000円)
5時間以上 225,000円(284,000円) 169,000円(213,000円)

 

( )内は生産性要件を満たした場合の金額

 

対象労働者の支給申請人数が15人から45人に拡充

対象労働者の支給申請人数は、1年度1事業所あたり15人でしたが、45人に拡充されました。

 

選択的適用拡大導入時処遇改善コースの拡充

労使合意に基づいて社会保険の適用拡大措置を実施し、雇用する有期契約労働者等の賃金を引き上げた事業主が対象となる助成金です。

社会保険適用を受けることのできる労働条件の確保を通じて短時間労働者等のキャリアアップを目的としています。

 

選択的適用拡大導入時処遇改善コースについても、短時間労働者労働時間延長コースと同様、「1人当たり支給額の増額」と「支給申請上限人数」が拡充されています。

 

1人当たり支給額が増額

選択的適用拡大の導入に伴い、社会保険適用となる有期労働者等の賃金の引き上げを実施した場合が対象です。

どれくらい増額されるかは、基本給の増額割合や中小企業・大企業かによって違いますので、ここでは増額後の支給額について触れています。

 

増額後の1人当たり支給額

基本給増額割合 中小企業 大企業
3%以上5%未満 29,000円(36,000円) 22,000円(27,000円)
5%以上7%未満 47,000円(60,000円) 36,000円(45,000円)
7%以上10%未満 66,000円(83,000円) 50,000円(63,000円)
10%以上14%未満 94,000円(119,000円) 71,000円(89,000円)
14%以上 132,000円(166,000円) 99,000円(125,000円)

( )内は生産性要件を満たした場合の金額

 

対象労働者の支給申請人数が30人から45人に拡充

以前は、対象労働者の支給申請人数が1事業所あたり1回のみの30人まででしたが、45人に拡充されています。

 

 

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7つのコース

今回、拡充したのは短時間労働者労働時間延長コースと選択的適用拡大導入時処遇改善コースですが、キャリアアップ助成金には全部で7コースあります。

短時間労働者労働時間延長コースと選択的適用拡大導入時処遇改善コース以外の他の5コースについて、どのようなものがあるか触れておきます。

 

正社員化コース

有期契約労働者等を正規雇用労働者等として転換、または、派遣労働者を直接雇用した事業主が対象となる助成金です。

有期契約労働者等が安定した雇用形態に転換を図ることで、キャリアアップを図るのを目的としています。

 

賃金規定等改定コース

有期契約労働者等の賃金規程等を増額改定し、昇給させた事業主が対象となる助成金です。

有期契約労働者等の賃金の処遇改善を図るのを目的としています。

 

健康診断制度コース

健康診断の実施が法律で対象となっていない有期契約労働者等に対して、健康診断制度を新たに規定して、実施した事業主が対象となる助成金です。

健康管理体制の強化を通じた有期契約労働者等のキャリアアップを図ることを目的とした制度です。

 

賃金規定等共通化コース

賃金規定等共通化コースの助成金は、有期契約労働者等に対して正規雇用労働者と共通の賃金規定等を適用させた事業主が対象です。

有期契約労働者等の処遇改善を図るのを目的としています。

 

諸手当制度共通化コース

有期契約労働者等に対して、正規雇用労働者と共通の諸手当制度を適用した事業主が対象となる助成金です。

正規雇用労働者と比べて処遇が劣りがちな有期契約労働者等の処遇改善を目的としています。

 

 

 

助成金は法律の改正や廃止が多いので、終了することがあることをご了承ください。

 

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