人生設計に大事な社会保険について

社会保険についての話

国民年金の基礎年金

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日本では、全ての国民が最低でも国民年金は受け取れるという「国民皆年金制度」を採っています。

 

日本の年金制度では、全ての国民が対象となる「国民年金から基礎年金」が支給され、基礎年金に上乗せされて「厚生年金保険から報酬比例の年金」が支給されます。

基礎年金といわれる国民年金の基本的なものには、「老齢基礎年金」「障害基礎年金」「遺族基礎年金」といったものがあります。

国民年金の基礎年金は3種類

日本の公的年金が2階建てといわれる理由は、1階部分が基礎年金として支給され、2階部分として厚生年金が上乗せして支給されるからです。

 

国民年金の基礎年金は、老齢基礎年金・障害基礎年金・遺族基礎年金の3種類です。

国民年金には、これら3つの基礎年金に加えて、寡婦年金や付加年金といった独自給付がありますが、中心となるのは老齢・障害・遺族の基礎年金です。

 

国民年金は、民間の保険会社が扱う個人年金とは違う点もいくつかありますが、免除制度や税金による給付負担といったものが特徴的です。

 

 

老齢基礎年金

老齢基礎年金は、支給要件を満たしていれば原則として65歳に達すれば受けられます。

 

老齢基礎年金の支給要件

以前は老齢基礎年金を受けるには受給資格期間が25年以上必要でしたが、平成29年に改正があり、現在は受給資格期間が10年以上あれば受給要件を満たすことになりました。

ただし、受給資格期間が短縮されたからといって年金が増えるわけではありません。

年金額は今までと同じで納付期間に応じた額となります。

 

受給資格期間が10年以上とは、保険料納付済期間又は学生納付特例・若年者納付猶予・50歳未満納付猶予期間以外の保険料免除期間があり、さらに保険料納付済期間と保険料免除期間及び合算対象期間を合わせた期間が10年以上あるということをいいます。

1.保険料を納めた期間又は保険料免除期間(学生納付特例・若年者納付猶予・50歳未満納付猶予期間は除く)があること

2.保険料納付済期間と保険料免除期間と合算対象期間を足して10年以上あること

 

老齢基礎年金の満額

老齢基礎年金は、40年加入したうえ、全ての期間が保険料納付済期間である場合に満額が受け取れます。

老齢基礎年金の満額は、「780,900円×改定率」となっています。

改定率は毎年改定されていますが、平成31年度は0.999です。

 

平成31年度の満額は780,100円となっており、これにフルペンション減額方式を用いて基礎年金額を計算します。

 

(780,900円×改定率)×A/480月

Aは、以下のものを足して求めます(月数)。

①保険料納付済期間×1

②平成21年4月以後の保険料4分の1免除期間×7/8

③平成21年4月以後の保険料半額免除期間×3/4

④平成21年4月以後の保険料4分の3免除期間×5/8

⑤平成21年4月以後の保険料全額免除期間×1/2

⑥平成21年3月までの保険料4分の1免除期間×5/6

⑦平成21年3月までの保険料半額免除期間×2/3

⑧平成21年3月までの保険料4分の3免除期間×1/2

⑨平成21年3月までの保険料全額免除期間×1/3

 

 

付加保険料を納付している人は、老齢基礎年金と一緒に付加年金を受け取れます。

 

 

障害基礎年金

国民年金の障害基礎年金は、要件を満たしたうえで、1級または2級に該当する程度の障害状態にあるときに支給されます。

 

障害基礎年金の支給要件

障害基礎年金を受けるには、次の①~③の要件の全てに該当する必要があります。

 

①被保険者要件

障害基礎年金を受けるには、疾病又は負傷し、その疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病について初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日(初診日において、以下のいずれかに該当しなければなりません。

1.被保険者であること

2.被保険者であった者であって、日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満であること

 

 

②障害要件

障害年金の対象になるには、障害等級の1級又は2級に該当することが必要なわけですが、障害認定日において該当することが求められます。

障害認定日は、初診日から起算して1年6ヶ月を経過した日、または傷病が治った日のいずれかとされています。

 

1級:日常生活の用を弁ずることが不能な状態

2級:日常生活が著しい制限を受ける、または日常生活に著しい制限を加えることを必要とする状態

 

 

③保険料納付要件

障害基礎年金を受けるには、初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までに被保険者期間がある時は、保険料納付済期間と免除期間を合算した期間が被保険者期間の3分の2以上なければなりません。

 

上記が原則の要件になりますが、保険料納付要件には経過措置があります。

初診日が平成38年4月1日前にある障害については、初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの1年間に保険料納付済期間及び保険料免除期間以外の期間がなければ保険料納付要件を満たすという経過措置があります。

いけめん
つまり、1年間に未納期間がなければよいということです。

ただし、この経過措置が適用されるのは初診日において65歳未満でなければなりません。

 

障害基礎年金の額

障害基礎年金1級の額は、(780,900円×改定率)×1.25が基本の年金額になります。

障害基礎年金2級の額は、780,900円×改定率が基本の年金額です。

 

障害基礎年金は、上記の金額に加えて子の加算額があります。

第1子と第2子については、各224,700円×改定率が加算されます。

第3子以降からは、一人につき74,900円×改定率が加算されます。

 

 

遺族基礎年金

遺族基礎年金は、子供の養育費的な側面があるので、一定の要件を満たす子がいないと支給されません。

 

遺族基礎年金の支給要件

遺族基礎年金を受けるには、①と②の要件を満たすことが必要です。

 

①被保険者の要件として、1と2を満たさなければなりません。

1.被保険者の要件は、死亡した場合においてイ~ニのいずれかに該当することです。

イ.被保険者である

ロ.被保険者であった者であって、日本に住所を有し、60歳以上65歳未満であること

ハ.老齢基礎年金の受給権者

ニ.老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていること

 

2.死亡日の属する月の前々月までに国民年金の保険料納付済期間及び免除期間が、被保険者期間の3分の2以上あること(死亡日が平成38年3月までの場合は、死亡日の属する月の前々月までの1年に未納がないこと、ただし65歳未満)。

 

②遺族が一定の範囲であること

遺族の範囲は、被保険者又は被保険者であった者の配偶者又は子であって、死亡の当時その者に生計を維持されており、次の要件に該当する者です。

イ.子は18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか又は20歳未満で障害等級1級・2級に該当する状態にあって婚姻していないこと

ロ.配偶者の場合はイに該当する子と生計を同じくしていること

 

遺族基礎年金の金額

子のある配偶者は、(780,900円×改定率)に加えて子の加算額が加算されます。

子に支給される場合は、(780,900円×改定率)ですが、子が二人以上いるときに加算があります。

 

加算額は2人目までは、1人について(224,700円×改定率)ですが、3人目以降は(74,900円×改定率)となります。

 

例 18歳未満の子が3人いる配偶者の場合

780,900円×改定率+(224,700円×改定率)×2人(1子・2子の数)+(74,900円×改定率)×1人(3子以降の数)

 

18歳未満の子が3人の場合

780,900円×改定率+(224,700円×改定率)×1人(2子)+(74,900円×改定率)×1人(3子以降の数)

 

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