失業した人の再就職を支援したり、促進したりするのが就職促進給付です。
就職促進給付は、さらに就業促進手当と移転費、求職活動費に分かれます。
このうち就業促進手当は、さらに常用労働者以外で再就職した場合に支給される「就業手当」、常用労働者として再就職した場合に支給される「再就職手当」、6ヶ月以上雇用される場合に支給される「就業促進定着手当」、就職困難者が常用労働者として再就職した場合に支給される「常用就職支度手当」の4種類に分かれます。
ここでいう常用労働者は、期間を定めずに雇われている人だけでなく、1年以上の期間を定めて雇用されると認められる安定した職業に就く人もです。
就業手当
就業手当は、所定給付日数の1/3以上かつ45日以上を残して安定した職業以外の仕事に就いた場合に、基本手当日額の3/10が支給されます。
基本手当については、一般被保険者に対する求職者給付(基本手当)。
就業手当の支給要件
就業手当の支給要件は、以下の全ての要件を満たす場合に対象となります。
1.再就職手当の対象とならない職業に就いたか、事業を開始したこと
1.就職日の前日において、基本手当の支給残日数が所定給付日数の1/3以上かつ45日以上あること
2.離職理由による給付制限を受けている場合においては、待機期間満了後の1か月以内は公共職業安定所や職業紹介事業者等の紹介によって就職したこと
3.離職前の事業主に再雇用されたものでないこと
4.待機期間が経過した後に、職業に就いたか事業を開始したこと
5.求職の申し込みをした日よりも前に採用が決まっていた事業主に雇用されていないこと
就業手当の支給額
就業手当の対象になるのは、実際に職業に就いている日になり、支給額は基本手当日額に10分の3を乗じた額になります。
就業手当の支給額 = 基本手当日額 × 30%
就業手当が支給されたときは、日数分の基本手当が支給したものとみなされます。
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再就職手当
再就職手当は、所定給付日数の1/3以上を残して安定した職業に就いたときに、基本手当日額に支給残日数の6/10または7/10が支給されます。
再就職手当の支給要件
再就職手当は、受給資格者が1年を超えて雇用されることが確実と認められる安定した職業に就き、又は自立ができると認められた事業を開始した場合であって、以下の要件を満たす場合に対象となります。
1.所定給付日数の1/3以上を残していること
2.離職理由による給付制限を受けている場合で、待機満了後1カ月の期間については公共職業安定所または職業紹介事業所等の紹介によって職業に就いたこと
3.求職の申し込みをした日より前に採用が決まった事業主に雇用されたものでないこと
4.離職前の事業主に再雇用されたものでないこと
5.待機期間が経過した後に職業に就いた、または事業を開始したこと
6.高年齢再就職給付金の支給を受けていない(どちらかしか受けれない)こと
7.就職日前3年以内の就職について、再就職手当、就業促進手当の支給を受けていないこと
再就職手当の支給額
再就職手当の額は、基本手当日額に支給残日数に相当する額の6/10です。
ただし、再就職した日の前日において支給残日数が2/3以上あるときは、7/10になります。
・就職日前日の支給残日数が所定給付日数の2/3未満
基本手当日額 × 支給残日数 × 60%
・就職日前日の支給残日数が所定給付日数の2/3以上
基本手当日額 × 支給残日数 × 70%
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就業促進定着手当
再就職手当の支給を受けた人が引き続き6か月以上雇用され、なおかつ再就職先での6か月間に支払われた賃金の1日分が離職前の賃金を下回っている場合に、基本手当の支給残日数の40%を上限として支払われます。
就業促進定着手当の支給要件
就業促進定着手当は、再就職手当の支給を受けた人が就職した日から引き続き6か月以上雇用され、かつその職業に就いた日から6か月間に支払われた賃金の1日分が賃金日額に相当する額に比べて低下した場合に支給されます。
1.再就職手当を受けたこと
2.同じ事業主に6か月以上引き続いて雇用されること
3.再就職してから6か月間に支払われた賃金が離職前の賃金よりも低いこと
賃金の1日分の額には上限額と下限額があり、支給額には上限額があります。
就業促進定着手当の支給額
就業促進定着手当は、再就職手当に係る基本手当日額の算定の基礎となった賃金日額を下回ったときに支給されます。
(離職前の賃金日額 - 再就職後6か月の1日の賃金額 )× 再就職後6か月間の賃金支払い基礎日数(月給制なら暦日数、日給制は労働日数)
支給額は基本手当の支給残日数の4/10を上限として、低下した賃金の6か月分となります。
また、早期再就職者(再就職手当の支給率が7/10の人)は3/10が上限になります。
就業促進定着手当の支給を受けようとする受給資格者は、職業に就いた日から起算して6か月目に当たる日の翌日から2か月以内に、受給資格者証と一緒に申請が必要です。
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常用就職支度手当
45歳以上の受給資格者のうち公共職業安定所の認定を受けた再就職援助計画等の対象者や、障害を持つ人等が、安定した職業に就いた場合に支給されるのが常用就職支度手当です。
ただし、常用就職支度手当は再就職手当との併給はできませんから、どちらか一方のみ受ることになります。
支給残日数が90日以上の受給資格者は、基本手当日額に90×40%(36日)を乗じた額です。
支給残日数が45日以上90日未満の受給資格者は、基本手当日額に支給残日数×40%を乗じた額です。
支給残日数が45日未満の受給資格者は、基本手当日額に45×40%を乗じた額です。
また、所定給付日数が270日以上の受給資格者は、支給残日数にかかわらず、基本手当日額×(90×40%)となります。
支給残日数が90日以上 基本手当日額×90×40%
支給残日数が45日以上90日未満 基本手当日額×支給残日数×40%
支給残日数が45日未満 基本手当日額×45×40%
移転費
移転費は、公共職業安定所の紹介による就職や職業訓練を受けるために住所を変更する場合に支給されます。
鉄道陳、船賃、航空賃、車賃、移転料、着後手当といったものが移転費として支給されます。
移転費の支給要件
移転費は、以下のいずれの要件にも該当するときに支給されます。
1.受給資格者が公共職業安定所の紹介した職業に就くために住所、居所を変更したこと
2.待機期間、給付制限期間が経過した後に就職、職業訓練を受講する場合であって、住所又は居所の変更が必要と認められたこと
3.移転に関する費用が就職先の事業主や訓練施設の長から支給されない、または支給額が移転費の額に満たないこと
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求職活動支援費
求職活動支援費には、広域求職活動費、短期訓練受講費、求職活動関係役務利用費があります。
広域求職活動費は、遠隔地に面接するなど、求職活動が広範囲にわたる場合です。
短期訓練受講費は、公共職業安定所の職業指導に沿って教育訓練を受けた場合に支払った入学料及び受講料を支援します。
求職活動関係役務利用費は、面接や職業訓練を受講するために保育等サービスを利用した場合に支給されます。