「大学卒業後にしばらく働いた後、結婚してから出産を機に退職」
こういった選択をする女性は多く、育児がいち段落したら再び仕事をしようと思っている人は多いようです。
子供が小さいうちは家庭との両立をするためにパートにしたり、大きくなったら派遣社員や契約社員として働くなど、雇用形態はさまざまです。
結婚前はバリバリのキャリアウーマンだったので、育児が落ち着いたらまた本格的に働きたいという人も多くいます。
子供が大きくなって働き出したと思ったら、親が倒れてしまうなど、介護をしながら働く人も今の日本では珍しくなくなりました。
平均寿命が延びたことで、介護をしながら働く人は今後も増えていくと予想されています。
政府も働き方改革で良好なワークライフバランスを推し進めているので、将来的には多様な働き方が広く認められていくことと思われます。
パートタイマーとして働く人は、社会保険の扶養から外れることを嫌がることが多く、相談を受けることがあります。
社会保険に加入するのはデメリットばかりではありませんが、保険料がいろいろとかかることから、嫌がる人も多いです。
ただし、パートタイマーだと重要な仕事を任せられることはほとんどないため、キャリアにはならないと見られることも多いようです。
出産しても働きたい人は会社に育休・産休がないかを確認
会社によっては、会社独自の育休・産休制度があることもあります。
労働には「ノーワークノーペイの原則」といって働かなければ会社は給料を与える必要はないという原則があります。
しかし、会社によっては一定額を保障しているところもありますから、聞いてみるといいでしょう。
会社独自の育休・産休がなかった場合も、厚生年金には保険料の免除がされる制度があります。
厚生年金の年金は報酬比例なので、保険料を多く支払った方が結果的に将来の年金も増えます。
厚生年金の保険料免除が適用されると、保険料を支払っていないのに将来の厚生年金は保険料を支払ったのと同じように増えます。
また、復帰した後に賃金が下がると、本来であれば報酬の改定(標準報酬月額の改定・随時改定)が行われ、保険料が下がるとともに将来の年金給付も下がるはずですが、産休によって賃金が下がった場合は保険料は下がった分を支払うだけでよく、年金は賃金が下がる前の報酬を用いるという決まりになっています。
つまり保険料は安くなりますが、年金は従前の額として計算される(多くもらえる)という扱いです。
キャリアを重視する女性は、会社を選ぶのに育児制度を確認するといいかもしれません。
育児をしながら働き続けることができれば、仕事と育児の両立も可能だからです。
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契約社員・派遣社員でも経験・実績があれば有利になる
妊娠を機に会社を辞める人や、育児のために契約社員・派遣社員として働き始めた人もいると思います。
今の日本では、3分の1を超える人が非正規雇用といわれており、契約社員や派遣社員が必ずしも不利になるとは限らなくなっています。
昔は正社員が行っていた業務を今では契約社員・派遣社員が行っているという会社も多くあります。
契約社員や派遣社員が将来も仕事に就けるかは、今までの経験や実績が重要になることは多いです。
仕事によっては資格が必要なこともあります。
契約社員や派遣社員は、経験・実績とともに自分のスキルアップを常に意識しておくと次につながりやすくなります。
自分が望んだ仕事であれば、努力もそれほど苦にはならないはずです。
かつての正社員の仕事を契約社員が行っていることは今では珍しくないので、就職や転職で契約社員が不利になるとは限りません。
契約社員や派遣社員だったとしても、自分が会社でどのような仕事に就いて、正社員と変わらない仕事をしてきたことを自信をもって伝えればいいと思います。
育児が落ち着いた後の社会復帰では、配偶者の協力が必要になることもあります。
人生のパートナーとしてお互いにサポートし合うことは、子育てと仕事を両立していくうえで大切です。
現在の政府の方針では、「同一労働同一賃金」が推し進められています。
かつては正社員と契約社員が同じ仕事をしているのに、正社員にだけ通勤手当を支給し、契約社員には手当を支給しないといった企業が多かったはずです。
このことが差別的な待遇として裁判で争われ、2018年に正社員にだけ手当(通勤手当・給食手当・皆勤手当・作業手当・無事故手当)を認めるのは不合理とされました。
このままいけば正社員と非正規社員との格差は縮小していく可能性があり、契約社員や派遣社員の重要性は増していくはずです。
パート・アルバイトは重要な仕事を任されにくい
パートやアルバイトの労働者によって支えられている企業は多いのですが、パートやアルバイトは働く時間も少ないので企業側も一時的な労働契約としてみることが多いです。
そのため、パートやアルバイトに重要な仕事を任せることはほとんどなく、契約社員や正社員などと比べてキャリア形成としては期待できないかもしれません。
しかし、家事や育児との両立がしやすく、一定の報酬以下であれば配偶者の扶養として社会保険料を納めなくてよいのはメリットといえます。
ある程度育児が落ち着いてきたら、アルバイト・パートから契約社員や派遣社員に変更するというのもありではないでしょうか。
目指すキャリアによっては、資格の取得を目指しておくとよいかもしれません。
自分の置かれた状況で出来ることをやっておくと精神的にも楽になります。
正社員と比べて週や月の労働時間が3/4未満の人を短時間労働者といいますが、短時間労働者は一定の要件を満たすと社会保険が適用されます。
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介護をしながら働く人は約30万人
日本人の平均寿命も延び、介護が必要な家族を抱えながら働いている人も増えており、約30万人の人が働きながら介護しているといいます。
中には会社でそれなりの役職もある人が、介護と両立を頑張っているケースも見受けられるようになりました。
役職があると会社を休むのが難しく、介護との両立が負担で会社を辞めざるを得ない人もいます。
日本ではまだまだ職場の理解が得られているとはいえませんが、社内に介護に関する制度があるかもしれないので、会社に聞いておくのもよいかと思います。
介護保険制度では、介護の必要度によって比較的軽度の人を対象にした予防給付、介護が必要な人を対象にした介護給付と分けられ、認定されたサービスが利用できます。
地域包括支援センターが相談窓口になっているので、必要に応じて保険制度を利用し、ヘルパーさんの助けを借りることも負担軽減には必要です。
大切なのは一人で悩まないことです。
まとめ
現在の日本では、結婚・出産・介護といった出来事に対して、女性の方が働き方を変えているケースが多いようです。
せっかくなら自分の希望を重視して、どういった仕事に従事するか考えなおしてみるのもいい機会かもしれません。
最近では、インターネットを活用して個人が仕事を受注するといったケースも増えてきました。
結婚前は仕事が楽しくないと感じていた人が、ライターになって充実した日々を送っているといった話も聞きますし、ライフスタイルも月日とともに変化しています。
今後はSOHOも増えていくと言われていますし、働き方も多様化していくはずです。