人生設計に大事な社会保険について

社会保険についての話

助成金(雇用関係助成金)と補助金の違い

更新日:

社会保険労務士が助成金というと、一般的には雇用関係の助成金を指します。

助成金の中でも、雇用関係の助成金の数が多いのですが、助成金と名のつく補助金もあります。

 

ここでは、雇用関係助成金についてを助成金と呼び、それ以外の助成金は補助金と呼ぶことにします。

助成金と補助金は返済しなくてよい

後日返済しなければならないと勘違いしている人が多いのが助成金と補助金です。

助成金と補助金は、借入金とは違って受け取ったお金は返済しなくてもよいお金です。

借入金の場合は、利息と併せて返済していく負債になりますが、助成金と補助金は国や自治体からもらえるお金です。

 

とはいっても、それぞれ要件があるので、無条件でもらえるというわけではありません。

 

これから起業する人はもちろん、現在会社を運営している人にとっても負担のない給付なので、早く事業を軌道に乗せるためにも是非活用してみてください。

 

 

助成金

助成金は、パートを正社員として雇ったり、高齢者や女性の就業、労働条件の改善等のように労働に関して改善した場合などに受け取れます。

助成金といった場合は、雇用に関するものを指すことが多く、雇用に関する助成金には、キャリアアップ助成金やトライアル雇用助成金、特定求職者雇用開発助成金といったものがあります。

 

助成金は補助金と違い、要件を満たせば原則もらえます。

反対に補助金の場合は、審査があるので申請したからといってもらえるとは限りません。

 

ただ、会社が保険料を滞納していてはだめだったり、就業規則に追加しなければいけない文言がでてきたりします。

助成金は、要件を満たせば原則的に受けられるので、これから雇用を計画している場合は調べてみるのがいいでしょう。

 

助成金の財源

雇用保険料には、失業等給付に係るものと雇用保険二事業とに係るものとがあります。

雇用保険二事業は、雇用安定事業と能力開発事業がありますが、雇用保険関係の助成金はこの二事業の保険料が財源となって運営されてます。

助成金の財源というのは、会社が支払う保険料の一部からなっているわけです。

 

 

雇用保険二事業

雇用保険二事業は、従業員さんの失業をの予防、雇用状態の是正、雇用機会の増大といった雇用安定事業と、職業生活の機関を通した能力の開発し向上を促進させるための能力開発事業とがあります。

そのため、従業員さんの待遇を改善したり、新しく従業員さんを雇った場合に対象となる助成金が多いのはそういった理由です。

 

雇用保険二事業の保険料率

雇用保険料は、賃金総額に雇用保険料率を乗じて得た金額となります。

平成29年度の一般の事業の雇用保険料率は9/1,000ですが、このうちの3/1,000が雇用保険二事業の保険料率となっていて、雇用保険二事業率は事業主負担となります。

 

雇用保険料を支払いっぱなしにするのももったいないのではないでしょうか。

せっかくなら助成金を受けつつ会社を軌道に乗せることを目指してはいかがでしょう。

 

 

雇用関係助成金の対象となる事業所は?

助成金といった場合は、雇用関係の助成金を指すのが一般的だといいました。

 

では、どんな事業主であれば、雇用関係助成金を受けられるでしょうか。

各雇用関係助成金には、共通の要件があります。

 

雇用保険の適用事業所であること

助成金は雇用保険二事業の保険料を財源としており、雇用保険の適用事業所でないと受給できません。

雇用保険の適用事業は、「労働者が雇用される事業」ですので、労働者がいる企業のほとんどの事業が対象となります。

 

法人であれば、当然に雇用保険の適用事業になります。

 

不正受給をした事業主

助成金の不正受給をしてから3年を経過していない、または申請後、支給決定日までに不正受給をしてしまった場合は、助成金の対象外になります。

不正受給とは、偽りのその他不正の行為により、本来受けることのできない助成金の支給を受け、または受けようとすることを差します。

 

労働保険料を納めていない

支給申請した年度の前年度より前の年度の労働保険料を納めていない場合も助成金の対象となりません。

ただし、支給申請日の翌日から起算して2か月以内に納付を行った事業主は除かれます。

 

労働関係法令の違反をした

支給申請日の前日から過去1年間に、労働関係法令の違反を行ってしまっても受給できません。

 

風俗関係の事業主である

性風俗関連、接待を伴う飲食等は助成金を受給できません。

 

暴力団と関わりがある

暴力団と関係のある場合も受給できません。

当然といえば当然といえます。

 

審査に協力すること

助成金の対象となる事業主は、支給のために審査に協力することも要件となっており、助成金を受給するために書類の保存が必要です。

 

 

補助金

補助金には、起業支援や女性の支援、技術革新を促進といった経済産業に関するものが多いです。

補助金の中にも助成金と名のつくものがありますが、一般的には雇用関係の助成金を助成金と呼び、雇用関係以外の助成金を補助金と呼んでいるようです。

 

補助金には公募期間があり、公募の中から採用されたものに給付するといったものが多く、助成金と違い採用率は低めです。

管理人も独立したときに補助金の申請をしましたがダメでした。

補助金の専門家によると補助金の受給率は20%~30%程度ではないかとのことです。そこが要件を満たせば受給できる助成金との違いです。

ただし、給付金額は助成金よりも高額のものが多くなっています。

 

  • B!