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国民皆保険を支える国民健康保険制度

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現在は個人が情報を発信しやすくなり、ホームページ等も費用をかけずに持つことができるので、会社に属せず個人事業主として働く人もたくさんいます。

厚生年金の対象ではないので個人事業主は保障が薄いイメージですが、個人事業主も社会保険の対象になってます。

 

サラリーマンやOLさんであれば、社会保険の手続きは会社がやってくれます。

しかし、個人事業主は自分で手続きを行うのが原則なので、一人暮らしの人の中には手続きをしない(忘れる)人もいます。

最近流行りのウーバーイーツの配達を専業でしてる人であれば、国民健康保険の被保険者になると思います。

何かあったときに頼れる社会保険は、何かある前に手続きをすましておく必要があります。

国民皆保険を支える国民健康保険

中小企業が中心の「協会けんぽ」や大企業が中心の「組合健保」では、加入の手続きを会社が行ってくれます。

少々分かりにくいのですが、自営業者と大企業、それ以外の人とでは対象になる健康保険が違います。

健康保険制度の対象は会社員や公務員なので、自営業者等(無職、短時間労働の人等)は対象となっていません。

健康保険などの被用者保険の対象外の自営業者の人は、国民健康保険の被保険者になることで病院で治療を受けても一部負担額で済むことになっています。

また、75歳になると後期高齢者になるので「後期高齢者医療保険制度」に加入することになりますが、会社を定年した後から後期高齢者になるまでは再就職して健康保険に加入しない限り、基本的に国民健康保険の被保険者になります。

自営業者 国民健康保険
大企業等 健康保険組合
中小企業等の会社員 全国健康保険協会

 

日本は国民皆保険なので、何かしらの医療保険に加入することになるので、協会けんぽ、組合健保、共済組合、後期高齢者医療等に加入しな人は国民健康保険に加入することになります。

国民健康保険が最後の砦となっているわけです。

 

国民健康保険の目的

「この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もって社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする。」とあり、保険給付として「国民健康保険は、被保険者の疾病、負傷、出産又は死亡に関して必要な給付を行うものとする。」とあります。

 

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国民健康保険の運営者(保険者)

国民健康保険の事業を行う団体を保険者といいます。

国民健康保険の保険者は、都道府県、市町村及び特別区と国民健康保険組合です。

 

国民健康保険は、会社員や公務員の加入する被用者保険の対象にならない、フリーランスや無職、前期高齢者等が加入します。

そのためいろいろ課題が多いとされており、例えば高年齢者が多いので医療費が多くかかり、フリーランスや無職も多いので所得が低い人が多く、給付と費用負担のバランスに課題があります。

こういった問題を見直すために平成30年4月から都道府県も保険者になりました。

 

国民健康保険に加入する人(被保険者)

国民健康保険の保険給付の対象になる人を被保険者といいます。

国民健康保険法の被保険者の種類には、市町村の行う国民健康保険の被保険者、国民健康保険組合の被保険者、退職被保険者があります。

ただ、健康保険のように被扶養者といった概念がないので、夫が被用者保険の被保険者の資格を喪失した場合は、妻は何の保険に加入してないことになりますから、妻も国民健康保険の被保険者になります。

妻が被用者保険の被保険者である場合は、妻の被扶養者になるといった選択もありますが、この場合は年収などに要件があります。

また、父または母が会社などを辞めて国民健康保険の被保険者になった場合は、それまで扶養されていた子供なども国民健康保険の被保険者になります。

 

ただし、生活保護を受けている人は医療費が無料なので国民健康保険の被保険者になりません。

 

国民健康保険では、被保険者の手続きは世帯主が行うとされています。

国民健康保険の被保険者

市町村の区域内に住所を有する者は、適用除外に該当しない限り、法律上当然にその市町村が行う国民健康保険の被保険者となります。

国民健康保険の適用が除外される人

  • 被用者保険の被保険者と被扶養者
  • 健康保険の日雇特例被保険者手帳の交付を受け、その手帳に健康保険印紙をはり付ける余白がある者とその被扶養者
  • 高齢者医療確保法の被保険者(後期高齢者とか)
  • 生活保護法によって保護を受けている者
  • 国民健康保険組合の被保険者
  • その他厚生労働省令で定めるもの

 

他にも国民健康保険組合の被保険者、退職被保険者といったものがあります。

 

国民健康保険組合は、15人以上の発起人が規約を作成し、組合員となる300人以上の同意を得て、都道府県知事の認可を受けることにより、同種の事業又は業務に従事する者で当該組合の地区内に住所を有するものを組合員として組織することができます。

そして、国民健康保険組合の組合員及び組合員の世帯に属する者は、適用除外に該当する場合を除いて国民健康保険組合の被保険者になります。

 

市町村が行う国民健康保険の被保険者(65歳以上の者は除く)のうち、被用者年金各法等に基づく老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付を受けることができるものであって、年金保険の被保険者等であった期間が20年以上であるか、又は40歳に達した月以後の年金保険の被保険者等であった期間が10年以上であるものに該当する者は、退職被保険者とするとされています。

ただ、退職被保険者の制度は、平成26年度で新規加入できなくなっており、平成26年度までに加入した者に限って65歳まで継続される、ということになっています。

 

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国民健康保険の給付

国民健康保険の給付で最も馴染みのあるものは、医療機関に保険証を提示すると一部負担金で治療を受けられるというものです。

これは「療養の給付」と呼ばれるもので、原則3割の負担で治療を受けられます。70歳以上であれば、所得に応じて2割になることもあります。

 

入院した場合は「入院時食事療養費」というものが給付されます。

入院しても食事はしますから、1食あたりの食事負担はありますが、それを超える分については現物給付になります。

 

緊急の時に保険証を忘れてしまったとき、海外で治療を受けたとき等、やむを得ない事情で療養費を全額支払うこともあります。

こういった場合は、後から申請することで一部負担金を超える費用について現金で返金されます。

これは「療養費」といわれる国民健康保険の給付です。

 

1か月の治療費が高額になった場合に、一定額を超える部分が支払われる「高額療養費」というものがあります。

一部負担といっても、入院や手術が続いた月は窓口での支払いが100万円になることもあります。

事前に高額になることが分かっている場合は、手続きをして限度額適用認定証を発行しておくことで、窓口での負担が高額療養費の負担額で済みます。

 

出産した場合は、一時金として「出産育児一時金」が支払われます。

 

その他、訪問看護療養費、移送費、葬祭費といったものもあります。

 

国民健康保険は健康保険と似ていますが、違う箇所もあり、傷病手当金及び出産手当金が国民健康保険では任意給付となっていて、基本的には給付されません。

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