日本では、年々人手不足が深刻化しています。
限られた人材を活かすために、毎年様々な労働関連の法律が成立しています。
安倍政権の働き方改革により、労働基準法違反にあたる長時間労働を是正するため、行政の監督指導が強化されようとしています。
働き方の見直し
今後、益々人手不足が深刻となることが予想されています。
働き方改革では、限られた人材での活用が望まれますので、全ての人が働きやすいよう見直しをしていくようです。
働き方改革に盛り込まれたのが、所定外労働時間の削減、年次有給休暇の取得を促進させる、多様な働き方の導入、テレワークの普及、ワークライフバランス等です。
具体的には、労働基準法違反に当たる時間外労働をしている企業への指導と監視の強化、上司や経営責任者が率先して年次有給休暇の取得をするように訴えたり、年次有給休暇の計画的付与の導入による年次有給休暇の消化、年次有給休暇を取得した労働者を評価する制度、出張がない正社員制度を採用、短期労働の正社員制度を導入する、といったことです。
過重労働をめぐる最近の動き
平成27年の「日本再興戦略」では、働き方改革の実行・実現にむけた話し合いが行われ、企業の長時間労働に対して、監督指導体制の充実強化を行い、月の残業時間が100時間を超える企業に対して監督指導を徹底することになりました。
平成27年から実際に、月100時間を超える残業を行っている事業場に対して、違反・問題等が認められた場合は、是正勧告書等を交付し、指導することとされました。
そして、指導を受けても法違反を是正しない事業場に対しては、企業名等を公表することも行われました。
ちなみに、平成27年9月からは、過重労働による健康障害等に関する労働者等の相談に対応する電話相談窓口が新設されています。
残業時間100時間から80時間へ規制対象が拡大
以前は、1か月の残業時間が100時間を超えていることが疑われる企業全てというのが、労働基準監督署による監督指導の対象とされていました。
今後は、1か月80時間を超える残業時間を行っている企業に対しても対象とするとされました。
また、監督指導・捜査体制の強化が行われました。内容としては、広域捜査のために労働局に長時間労働を指導するための担当官を設置しました。
「過労死等ゼロ」緊急対策
過労死ゼロに向けた新たな取り組みが公表されました。
違法な長時間労働を許さない取り組みの強化
(1)企業向けに新たなガイドラインを定め、労働時間の適正把握を徹底する。
(2)違法な長時間労働等を複数の事業場で行うなどの企業に対して、全社的な是正指導を行う。
(3)過労死等事案も要件に含めるとともに、一定要件を満たす事業場が2事業場生じた場合も公表の対象とするなど対象を拡大する。
(4)36協定未締結事業場に対する監督指導の徹底
メンタルヘルス・パワハラ防止対策のための取組の強化
(1)複数の精神障害の労災認定があった場合には、企業本社に対して、パワハラ対策も含め個別指導を行う。
(2)メンタルヘルス対策に係る企業や事業場への個別指導等の際に、「パワハラ対策導入マニュアル」等を活用し、パワハラ対策の必要性、予防・解決のために必要な取組等も含め指導を行う。
(3)長時間労働者に関する情報等の産業医への提供を義務付け。
社会全体で過労死等ゼロを目指す取組の強化
(1)長時間労働抑制に向けて、事業主団体に対して労働時間の適正把握等について協力要請を行う。
(2)労働者に対する相談窓口の充実を図る。
(3)労働基準法等の法令違反で公表した事案について一定期間ホームページで記載する。
引用 厚生労働省内 長時間労働削減推進本部