日雇労働被保険者が失業した場合は、納付した印紙保険料に応じて日雇労働求職者給付が支給されます。
日雇労働求職者給付金は、日額7,500円の第1級から日額4,100円の第3級まで等級区分があり、前2月間の印紙保険料の納付状況によって等級区分が異なります。
給付日数は、印紙貼付枚数に応じて、1ヶ月当たり13日から17日になります。
また、日雇労働求職者給付金には、普通給付以外に特例給付というものもあります。
日雇労働求職者給付金は、日雇労働被保険者に対する求職者給付
日雇労働求職者給付金は、日雇労働被保険者が失業している場合に、失業の日の属する月の前2月に印紙保険料が通算26日分以上あれば支給されます。
この前2月間に印紙保険料が通算して26日分以上納付されているときに支給されるのが日雇労働求職者給付金の「普通給付」になります。
雇用保険法第45条
日雇労働求職者給付金は、日雇労働被保険者が失業した場合において、その失業の日の属する月の前二月間に、その者について、徴収法第十条第二項第四号の印紙保険料(以下「印紙保険料」という。)が通算して二十六日分以上納付されているときに、第四十七条から第五十二条までに定めるところにより支給する
日雇労働求職者給付金には、この普通給付の他、季節的労働者である日雇い労働者等に対して支給される「特例給付」もあります。
一般の求職者給付金には7日間の待期期間がありますが、日雇労働求職者給付金では、各週につき日雇労働被保険者が職業に就かなかった最初の日については支給しないこととされています。
この各週の最初の不就労日が待期期間に相当することとなります。
雇用保険法第50条2項
日雇労働求職者給付金は、各週(日曜日から土曜日までの七日をいう。)につき日雇労働被保険者が職業に就かなかつた最初の日については、支給しない。
日雇労働被保険者
日々雇用される者又は30日以内の期間を定めて雇用される一定の者を日雇労働者といい、下のいずれかに該当する被保険者である日雇労働者を「日雇労働被保険者」といいます。
1.適用区域に居住し、雇用保険の適用事業に雇用されること
2.適用区域外の地域に居住している場合は、適用区域内にある適用事業に雇用されていること
3.適用区域外の地域に居住し、厚生労働大臣が指定する適用区域外の地域にある適用事業に雇用されていること
4.公共職業安定所長の認可を受けたこと
日雇労働者であっても、前2月の各月において18日以上同一の事業主に雇用されたか、同一の事業主の適用事業に継続31日以上雇用されると、所定の要件を満たしている限り被保険者の種類が切り替わります。
被保険者の種類が切り替わることにより、一般被保険者、短期特例被保険者、高年齢被保険者のいずれかになります。
ただし、この場合でも公共職業安定所長の認可を受けた場合は引き続き日雇労働被保険者になることができます。
日雇労働者が日雇労働被保険者の要件を満たした場合は、5日以内に管轄公共職業安定所に行き、日雇労働被保険者資格取得届を提出しなければならないことになっています。
公共職業安定所に日雇労働被保険者資格取得届を提出することで、日雇労働被保険者手帳を交付してもらいます。
雇用保険被保険者手帳と印紙保険
事業主は、日雇労働被保険者を使用する場合には、日雇労働被保険者手帳を提出させなければならず、また、日雇労働被保険者は、事業主に使用されたときはその都度、日雇労働被保険者手帳を事業主に提出しなければなりません。
事業主は、賃金を支払う都度、日雇労働被保険者手帳に雇用保険印紙を貼付して消印をすることで、印紙保険料を納付します。
雇用保険印紙は賃金による等級区分によって違います。
・第1級保険料日額 176円 賃金の日額11,300円以上
・第2級保険料日額 146円 賃金の日額8,200円以上11,300円未満
・第3級保険料日額 96円 賃金の日額8,200円未満
日雇労働求職者給付金(普通給付)
日雇労働被保険者の失業の認定は、日々その日について行われます。
日雇労働求職者給付金の支給を受ける日雇労働被保険者は、公共職業安定所長が定めた所定の時刻までに、その日雇労働被保険者が選択する公共職業安定所に行き、日雇労働被保険者手帳を提出して求職の申込みを行います。
日雇労働求職者給付金の普通給付の日額は、第1級給付金から第3級給付金まであります。
等級区分は、前2月間の印紙保険料の納付状況に応じて決まります。
日雇労働求職者給付金の日額
第1級給付金 | 日額7,500円 | 第1級印紙保険料が24日分以上納付されている場合 |
第2級給付金 | 日額6,200円 | 第1級印紙保険料及び第2級印紙保険料が合計24日分以上納付されている場合 第1級、第2級、第3級の順に選んだ24日分の保険料平均額が第2保険料の日額以上である場合 |
第3級給付金 | 日額4,100円 | それ以外 |
日雇労働求職者給付金(普通給付)の支給日数
日雇労働求職者給付金の普通給付は、日雇労働被保険者が失業した日の属する月において失業の認定を受けた日について、その月の前2月間に納付されている印紙保険料に応じて日数分が支給されますが、納付した保険料と支給日数の関係は以下のようになっています。
納付された保険料と支給日数
納付した印紙保険料 | 支給日数 |
通算26日から31日 | 13日 |
通算32日から35日 | 14日 |
通算36日から39日 | 15日 |
通算40日から43日 | 16日 |
通算44日以上 | 17日 |
日雇労働求職者給付金(特例給付)
日雇労働求職者給付金には、普通給付の他に特例給付というものもあります。
日雇労働求職者給付金の特例給付は、日雇労働被保険者が失業した場合に以下のいずれにも該当するとき、管轄公共職業安定所で申し出をすれば受けることができます。
1.継続する6月間に印紙保険料が各月11日分以上、かつ通算して78日分以上納付されていること
2.継続する6月間のうち、後の5月間に日雇労働求職者給付金の支給を受けていないこと
3.継続する6月間の最後の月の翌月以後2月間に、普通給付の日雇労働求職者給付金の支給を受けていないこと
特例給付の支給を受けるには、継続する6月間の最後の月の翌月以後4月の期間内に申し出を行います。
特例給付の支給を受ける申し出をした場合は、管轄公共職業安定所で申し出をした日から起算して4週間に1回ずつ失業認定を受けます。
日雇労働休息者給付金の特例給付は、継続する6月間の最後の月の翌月以後4月の期間内の失業している日について通算して60日分を限度に支給されます。
おわりに
・日雇労働求職者給付金は、日雇労働被保険者が失業した時に支給される失業給付。
・日雇労働求職者給付金には、普通給付と特例給付がある。
・日雇労働求職者給付金は、前2月間の印紙保険料の納付状況に応じて日額が決まる(普通給付)。
・事業主は、日雇労働被保険者に賃金を支払う都度、その者の日雇労働被保険者手帳に印紙を貼って消印することで印紙保険料を納付する。
・普通給付はそのものの選択する公共職業安定所、特例給付は管轄の公共職業安定所で行う。