会社員が40歳になると被保険者になる介護保険ですが、介護状態が認められなければ、実際に介護保険は利用できません。
介護保険では、40歳以上の第2号被保険者と65歳以上の第1号被保険者があります。
介護保険は、市町村が保険者となり、国や都道府県が市町村の介護保険事業を支えるように運営されています。
なので、介護保険を利用するには市町村の介護状態の認定を受ける必要がありますが、介護状態にも要介護と要支援があって、受けられるサービスも違います。
要介護認定と要支援認定を受ける被保険者は、被保険者証と申請書を市町村に提出して申請します。
介護保険制度の概要
介護保険のサービスを受けるためには、要介護認定申請をして、要介護又は要支援の認定を受けると介護保険からの給付を受けることができます。
介護保険法は、老人福祉と老人保健の後にできた制度です。
歳を取って介護状態になっても、自立した生活を営めるよう必要な給付を行うためにあります。
第1条
この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。
介護保険サービスは、原則1割の自己負担で利用できます。
ただ、平成27年の8月以降については、本人の合計所得が160万円以上などの理由に該当した場合は、2割負担になることがあります。
とはいえ、収入とは違って所得なのと、介護保険利用者は65歳以上が多いので2割負担となる人は実際には少ないようです。
介護保険によるサービスの対象となる人は、第1号被保険者と第2号被保険者です。
介護保険の第1号被保険者とは、市町村の区域に住所を有する65歳以上の人をいいます。
また、介護保険の第2号被保険者とは、市町村の区域内に住所を有する40歳以上の医療保険加入者をいいます。
介護を受けるには、市町村に申請をして要介護認定または要支援認定が必要です。
第1号被保険者は65歳以上の人ですが、介護保険を利用するには要介護又は要支援の人です。
第2号被保険者で給付を受けれるのは、加齢が原因で起こる疾病により介護が必要になった人です。
加齢が原因で起こる病気には以下のようなものがあります。
①筋萎縮性側索硬化症
②後縦靭帯骨化症
③骨折を伴う骨粗しょう症
④多系統萎縮症
⑤初老期における認知症
⑥脊髄小脳変性症
⑦脊柱管狭窄症
⑧早老症
⑨糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症及び糖尿病性腎症
⑩脳血管疾患
⑪進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症およびパーキンソン病
⑫閉そく性動脈硬化症
⑬関節リウマチ
⑭慢性閉塞性肺疾患
⑮両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
⑯末期がん
デイサービスを利用してる人の中にも若い人を見ることがありますが、特定疾病に該当すれば40歳以上なら介護保険が利用できます。
要介護と要支援
介護保険を利用するためには、市町村で要介護認定を受ける必要があります。
介護保険の保険者は市町村となっており、市町村を国や都道府県が重層的に支えています。
7段階の介護状態で受けれるサービスが異なります。また、要介護度の違いで介護保険の上限も異なります。
要介護度には、要介護度1から要介護度5まであります。また、要支援には1と2があります。
要介護度の目安
要支援1
要支援1は、障害によって生活機能の一部が若干程度低下しているが、介護予防サービスを受ければ改善されるような状態をいいます。
要支援2
要支援2は、障害によって生活機能の市場が低下しているが、介護予防サービスを受ければ改善される状態をいいます。
要介護1
要介護1は、身の回りの世話の一部について見守りや助けが必要です。
要介護2
要介護2は、身の回りの世話のほとんどについて見守りや助けが必要です。
要介護3
要介護3は、身の回りのことが自分一人ではできず、介助が必要な状態です。
要介護4
要介護4は、日常の生活をするには生活機能がかなり低下しているため、全面的に介助が必要な状態です。
要介護5
要介護5は、日常の生活をするには生活機能が著しく低下しているため、全面的な介助が必要とされる状態です。