現在はライフスタイルが多様化していますが、あなたの人生設計やライフスタイルに大きな影響を与えるのが就職です。
人生の多くの時間は仕事に費やされ、働くことで収入を得ますから、就職を考えるうえでは人生設計やライフスタイルだけでなく、経済的な面も考える必要があります。
また、就職でどの分野に進むかは、自分の好きであることだけでなく、得意(適性)を考える必要があります。
仕事では結果が求められるため、自分が好きなだけでは認められないこともよくあります。長所を活かした仕事をするといった視点も大事です。
就職には時代の変化を読みながら人生設計を立てることが必要
技術はここ百年で著しく進化し、景気がよい業界が生まれては既存の業界が時代遅れになって廃れるを繰り返してきました。
技術の進歩は著しく、少し前なら30年かかっていた技術革新も、今は数年で革新されることも珍しくありません。
地道な作業が好きな人に人気の事務や総務といった仕事は、高度経済成長期は多かったかもしれませんが、ITの進歩と外部委託によって現在はだいぶ少ない求人数となっています。こういう仕事を希望する人は、公務員や大企業に目を向けたり、派遣や契約社員として事務や総務の仕事に就くといった選択も必要かもしれません。
かつては難関資格を取れば食いっぱぐれないと言われていましたが、今ではITの進歩によって複雑な書類は専門家の手を経る必要がなくなりつつあります。
そのため、難関資格を取っても食えないという状況が生まれています。
例えば、税理士や社会保険労務士、司法書士といった書類の手続きを代行する職業ですが、今やITの進歩でオンラインでの申請が可能となりました。
わざわざ税務署や年金事務所、公共職業安定所といった機関に足を運ばなくても書類手続きを完結させることができる時代になっています。
だからといって書類の提出が不要になったわけではないので、ITの知識やスキルに力を入れて逆に売上を伸ばしている税理士や社会保険労務士もいます。
今後は時代の変化に対応したスキルや知識を身に付けることが生きていくうえで益々大切になっていくことでしょう。
就職はそのときの社会状況の影響を受ける
就職活動をするにあたって、どうにもならないのがそのときの社会状況です。
新型コロナウイルスの前は、人手不足で就職市場は売り手市場と呼ばれていました。
売り手市場とは、就職活動する側が有利な状況をいい、言い換えれば就職しやすい状況のことです。
ところが新型コロナウイルスの感染拡大防止のために緊急事態宣言が出た後は、飲食業界と観光業界を中心に閉店が相次ぎ、景気は急速に冷え込みました。
景気の指標を示す有効求人倍率は、1.2倍にまで落ち込み、46年振りの下げ幅となりました。
新型コロナウイルスの影響は大きく、売り手市場だった労働市場から求人はなくなり、反対に非正規社員の人を中心に解雇や雇い止めが急増しています。
だからといって全ての業界の景気が悪いわけではなく、今まで以上に景気がよい業界もあります。
収入が良いから働くというのも大事ですが、長期的な観点から就職することも大切です。
コロナウイルスでも影響を受けない会社や将来性がある業界に目を向けてみるのもよいかもしれません。
日本では、家事は女性が担うものと思っている人は男性だけではなく、実は女性にも多くいます。
なので女性の場合、社会状況に加えて結婚や出産が人生設計やライフスタイルを変える原因になります。
いずれにしても自分自身の人生設計やライフスタイルを貫くには、やはりそれなりの努力が必要と思ったほうがよいでしょう。
好きなこと、得意なことを整理してキャリアプランを立てる
自分が好きなこと、得意なことを仕事にするのであれば、まずはご自身のスキルや資格をもとにどのような仕事があるかを整理することが大切です。
地道な作業が好きな人や、作業を素早く処理する能力がある人は、縁の下の力持ち的な事務や総務が向いています。
ただ、現在の傾向として、自社で事務や総務の採用を抑えて仕事を外部に委託するケースが増えているのも事実です。外部の委託先である税理士事務所や社労士事務所も探してみるといいかもしれません。
人と接することが好きな人や、目立ちたがり屋の人は、営業や飲食業、ショップ店員なんかが向いている可能性があります。
人の役に立つことが好きな人は、医療や介護、看護といった分野が向いているかもしれません。医療や介護の分野は、直接的に人の役に立つ仕事なので、大変ですがやりがいはあります。
特に高齢社会の日本では、医療や介護は今後も需要が見込まれる業界です。将来性もあります。
考えることが好きな人は、ライターといったクリエイティブな仕事や、研究者といった専門職が向いているのではないでしょうか。弁護士も専門知識を活用する考える仕事です。
芸術的なセンスがある人や感性豊かな人は、インテリアコーディネーター、職人といった仕事があります。
伝統工芸から建設現場の仕事まで職人と呼ばれているので、職人といっても実にさまざまです。
就職に必要な資格があるものもある
中には資格がないと就職できないものもあります。
例えば、看護師や教員、医者は資格がなければ就職できませんので、なるためには早いうちからの人生設計が必要です。
資格の中には、大学で一定以上の単位を必要とするものや、卒業見込みであることが受験資格になっているものもあります。
税理士や社労士を受験する場合は、大学で一定以上の単位が必要です。
医師や薬剤師を受験するには、医学部や薬学部の卒業と国家試験の合格が必要ですし、就職には資格が必要です。
世の中には資格が何千種類もあるそうですが、受験資格を不要としている資格の方が多いです。
実は資格には、業務するための資格(業務独占資格)、名乗るのに必要な資格(名称独占資格)、自己啓発資格などがあり、必ずしも就職に必要とは限りません。
就職の際には必要なくても、就職してから資格を取るよう言われることもあります。
良いキャリア設計には、就職したら終わりではなく、就職した後も勉強したり、知識を増やすといった自助努力が必要です。
複数の仕事を持つことが当たり前になる時代
なりたいものや得意なものと並んで重要なのが収入や将来性です。
現状では高収入といえば、医師や弁護士、税理士といった人々を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。反対に事務や介護職はそれほど収入は高くないと言われています。
好きや得意なことを仕事にしても、それだけでは収入が厳しいことがあるのも事実です。
現在は将来性抜群であっても、数年、数十年したら斜陽業界になる可能性も否定できません。
副業を禁止している企業に公務員は別ですが、今後は複数の仕事を持つことが当たり前になると見ている専門家は多いです。
例え微々たる収入であっても、複数の収入源を持つことは精神的な安定にもつながります。
将来的にはフリーランスが増えていくと言われてますが、フリーランスは収入が安定しないことが多いので、複数の仕事をしているフリーランスは多いです。
将来独立する場合も、最初のうちは企業に就職してスキルを身に付けたほうがよいでしょう。
独立するときに融資を受けることが一般的ですが、その場合も業界での経験が問われるので、企業に就職することは無駄にはなりません。